すいすい通信 Vol.146
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☆ すいすい通信 ☆ vol.146 2023年5月10日配信
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こんにちは。リーゾの門奈です。
今月の「すいすい通信」をお届けいたします。
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・特集・・・・・・・・・・・・・・・・・リアルタイムPCR
・零細起業のあれこれ・・・・・・・・「不動産業」始めました
・コーヒーブレイク・・・・・・・植物病理学者がヒーローに?
・リーゾからのお知らせ
■ 特 集 ━━━━━━━・・・・‥‥‥………………………
リアルタイムPCR
リーゾを起業した当初から13年あまりの間、ずっと欲しいと思
っていたリアルタイムPCR機が、先日ついに手に入りました。
まずは、入手の経緯から(語りたくてしょうがない)。
新品は数百万円してとても手が出ないけれど、補助金を使えば買
えるかも、少しでも値引きしてくれないかな・・・と思った矢先、
コロナ禍に突入。
PCR検査のためにリアルタイム機の需要が急拡大という想定外
の事態となり、値引き交渉なんてとても言い出せない状況が続き
ました。
でも、見方を変えれば、世の中にリアルタイム機が異常にたくさ
んある状態になったわけだから、需要がなくなれば中古が大量に
出回るはずです。これは逆にチャンスかも?と考えて、コロナ収
束を待つ作戦に変えました。
今年に入って、PCR検査の必要性はかなり少なくなってきた様
子だったので、撤退する検査場から放出されるものがあるはずだ
と中古市場をウォッチしていたところ・・・狙い通り、タカラバ
イオ製の、最新型のリアルタイム機の中古品を、ヤフオクで見つ
けました。
お値段は税送料込みで27万5千円。売り手は中古機器販売店で、
専門外のため動作確認は限定的。万が一使えなくてもノークレー
ムノーリターン、というルールなのでかなり悩みましたが、定価
の10分の1以下の価格で、動けばものすごくお買い得です。社
員とも相談し、購入を決めました。
届いたものは、純正の箱入りで、取説もソフトウエアの入ったC
DーROMもついて見た目はほぼ新品!恐る恐る使ってみたとこ
ろ、問題なく動いてきれいにデータが取れました。どうやらちゃ
んと使えそうです。
一般的に、リアルタイムPCRでできることと言えば、
・遺伝子発現の解析や比較
・SNPタイピング
・DNA量の比較(相対定量)
・遺伝子組み換え食品の検出、定量
・ウイルスや病原菌の検出、定量(←コロナ検査はこれです)
などがあります。意外といろいろ使えるんです。
前の職場では、お米の品種鑑別サービスの一環として、
・表示と違う品種の混入率検査
にも使っていました。
また、リーゾでは種特異的なプライマーとTaqManプローブ
のセットを頼まれることがありますが、今まではリアルタイム機
がないため、TaqManプローブについては設計までしかでき
ませんでした。これからは、「機能することを確認済みのプロー
ブ」を納品できるようになります。
研究業界では、リアルタイムはもう古い、これからはデジタルP
CRだ、とも言われておりますが、リアルタイムもまだまだ、ア
イデア次第で役に立つはずです。
そこで、読者のみなさまにお尋ねです。
「こんなことはできないの?」「こんなことに使ったら?」とい
うことはないでしょうか。新サービスの開発に、大いに参考にさ
せていただきます。場合によっては、最初のお客様=モニターと
して無償サービスさせていただくかも。
リーゾでも、リアルタイムPCRを使った受託の新サービスを考
えてご提案していきたいと思っています。どうぞよろしくお願い
いたします。
■ 零細起業のあれこれ ━━━━━・・・・・・・‥‥………
「不動産業」始めました
起業を志す読者さまのために、リーゾの経験をお伝えしています。
今回は、まるで畑違いの新規事業の話で、ほぼご参考にならない
と思いますが、しいていえば、「会社をやっているとこんなこと
にも使える」という例にはなるかな、ということでご紹介します。
不動産業、というのは、正確に言えば、アパートの大家さん業、
さらに正確にいえば、その「代行」業になります。
つまり、アパートを持っている大家さんと、それを借り上げて賃
貸経営するサブリース会社の間に入って、本当の大家さんの代わ
りに、サブリース会社とのやりとりや、大家が行うべき修繕の手
配など、諸々の雑用を引き受ける仕事です。
そんなのリーゾの専門分野ではないし、私の知識や能力ではもち
ろんできません。そもそも大家さんとの出会いもないです。
ではなぜそんなことに?という話ですが、そこは書くと長くなる
ので大幅にはしょり、「親族から持ち込まれた話」ということで
ご想像いただければと思います。
もう少し言えば、親族Aさん(不動産管理のプロで大家さんの信
頼が厚い)個人の代わりに契約の主体になり、実務はAさんに委
託して、得られた利益から委託料を支払う形です。Aさんとリー
ゾは利益を案分、大家さんは楽ができ、サブリース会社は修繕の
相談などがスムーズになり、誰も損をしません。
重要なのは、いくら全員にとっていい話であったとしても、個人
では契約の主体として認められない、というところです。そこで
リーゾが登場。不動産業は未経験ながら(引き受けるにあたり、
定款の「事業の目的」は追加しました)、10年以上の事業歴が
あり、健全な会社ということで、問題なく契約に入れました。
実は、この話を持ち掛けられた時は、即決で断るつもりでした。
『研究活動を通じて、豊かな人間社会と美しい地球環境に貢献す
る』がリーゾの経営理念で、これに合わないことはやらない、
と決めていましたので・・・。
なのにやることになったのは、前述のように、助かる人がいるな
らやる意味はある、と思ったからです(もちろん、リーゾにとっ
て背負いきれないほどのリスクがないことが前提ですが)。
そういうわけで、あまり乗り気ではなく、本当に大丈夫かと半信
半疑で超慎重に、ドキドキしながらやってきましたが、1年ほど
経過し、今のところ順調です。
そして、サブリース会社からの毎月の報告で、不動産の賃貸管理
という全く未知の世界を垣間見れて、それはそれでかなり面白い
です。
例えば、入居状況と家賃の一覧表を見ると、入居歴が最も長い部
屋は、他の部屋より家賃が1万円以上高い!文句言わないのかな
・・・と不思議に思いましたが、たぶん、入居者は他の部屋の家
賃を知らされていないのでしょう。賃貸で長く住むなら定期的に
周囲の家賃を調べて交渉したほうがよいかもです。
また、サブリース会社の家賃の取り分は意外と少なく、「サブリ
ース会社儲かるのか?」と一瞬心配しましたが、実は更新手数料、
保険料、安心サポート加入料などなど、家賃以外の利益の源泉が
たくさんあることもわかりました。
びっくりしたのが、有名な歌手を呼んでの豪華なディナーショー
に招待されたこと。サブリース会社から見ればリーゾは一応「オ
ーナー様」なので、いろいろと優遇してくれるようです。
入居者からのクレーム対応の記録(台所の電灯の紐が切れた、隣
から謎の音がする、など)や、ルール違反の粗大ゴミの対応(一
応警告文を貼るも結局だめで管理会社が処分)なども面白くて、
つい全部読んでます。
駅徒歩4分のワンルーム24室はそれなりに出入りがあるのです
が、空室になってからのリフォーム、募集、新入居までが早く、
空室期間がほぼありません。そのスピード感、時間に対するコス
ト意識にも、学ぶところが多いです。
親族Aさんが自分で会社を立ち上げて軌道に乗るまでの期間限定
のつもりですが、しばらくの間は続きそうです。これも勉強、と
思ってつきあいます。リーゾ本来の事業にはまったく影響はない
のでご安心ください。
■ コーヒーブレイク━━━━━・・・・・‥‥‥…
植物病理学者がヒーローに?
2020年1月配信のすいすい通信vol.106のコーヒーブレイクにて、
理学部植物学研究室が舞台の草食系恋愛小説「愛なき世界」をご
紹介しました。
https://rizo.co.jp/suisui106.html
今回は、同じ植物でも、「植物病理学」の研究室を舞台にした漫
画(しかもミステリー仕立て、しかもヒーローもの?)のご紹介
です。
植物病理学者が主人公で、植物が病気になるという事件の謎を科
学的エビデンスに基づいて解決するという設定です。正直、分野
が近いから興味はあるけど、一般向けの漫画としてこの設定は成
り立つの?、と思ったのですが・・・
ネット上で、主人公(植物病理学者)が「かっこいい!」とか
「ヒーローだ!」とか言われていて、非常に評判が良いのです。
これは読んでみなくては!とさっそく取り寄せてみました。
(以下かんたんにご紹介しますが、ネタバレはありません)
ミカンの重要病害であるカンキツグリーニング病がテーマである
第1話。この病気は治療法がなく、感染するといずれ全滅するた
め、早期発見して伐採するしか対策がありません。でも媒介する
昆虫が寒さに弱いので、現在は鹿児島県の徳之島が北限となって
います(地球温暖化でじわじわ本州に近づいています)。
この病気が静岡のある集落で発生、冬を超えられないはずなのに
毎年出る、このままでは感染が広がり大変なことに・・・。
果たして植物病理学者はこの謎を解き明かし、みかん産地を救え
るのか?という話なのですが、植物病の不自然な蔓延の裏には人
の関与があり、そこにはまた理由がある、というわけで、人間ド
ラマにもなっています。
植物病理学はあまり知られていない学問ですが、地球人類規模で
考えれば、植物≒食糧。人類の全食糧の8割が、わずか十数種の
植物種で賄われているそうで、植物病の蔓延→生産地全滅、は多
くの人の餓死に直結します。
それを阻止するための学問でもある植物病理学。目立たずにいる
のは、食糧危機を事前に回避できてきているからにほかならず。
すごいじゃん植物病理学!
作中で、助手が主人公を「植物のお医者さん」と敬います。植物
への興味関心、時に愛情にあふれる主人公ですが、人間の利益の
ために植物を殺す選択もします。
これで思い出したのが獣医さんの話です。
「経済動物(産業動物)」と呼ばれる家畜は人間の利益のために
生かされているもので、感染症になるなど必要なときは迷わず殺
さねばならないため、感情移入は禁物だそうです。動物が好きで
その道を選んだ人も多いでしょうに、プロとは厳しいものです。
それにしても、こんな堅いテーマで、科学的な正しさをキープし
つつ、なかなか魅力的な物語に、しかも漫画に仕立てていて、専
門外の人たちからめちゃめちゃ高い評価を得ているというのが、
比較的近い分野にいる人間としてびっくり、かつとてもうれしい
気持ちがします。
植物病理学者かっこいい!と感じたことで、植物病理学研究室を
志望する学生が増えるかも・・・、とまた妄想しています。
タイトルの「明日の君を願う」の意味が謎ですが、物語が進んで
いくと解明されるのかもしれません。
続きが出たら、また読んでみたいです。
「植物病理学は明日の君を願う(1)」竹良実 著 小学館
■ リーゾからのお知らせ ━━━━━・・・・・・・‥‥……
〇今期の実験補助セミナーについて
いろいろ悩みましたが、やはり今期も実験補助セミナーを開催す
ることにしました(開催日の2日前までに申し込みがない場合は
お休みします)。学びたいことだけ詰め込んで速習する個別講習
も歓迎です。就職支援もいつも通り、手厚く行います(研究者さ
んからの求人情報もお待ちしております)。
初回は5月17日(水)10時~。
詳細はこちらです。
https://rizo.co.jp/seminer.html
〇交配袋(特注品)価格改定について(既報)
交配袋の原材料であるポリエステル製高機能不織布、および花粉
回収袋の原材料のグラシン紙の仕入れ値が上がりました。このた
め、特注品については製品単価を少しだけ上げさせていただきま
す。
特注品をご注文の際は、以前のご依頼と同じものであっても価格
が変わる場合がありますので、お手数ですが前もって価格確認
(見積依頼)をお願いいたします。
なお、定番品については価格は変わらず、送料(一律税込550
円)も当面値上げいたしません。
引き続き、きめ細かい対応、丁寧な製作を心がけて参ります。
ご了承のほどよろしくお願いいたします。
■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━・・・・‥‥‥…
○「不動産業」について。実はリーゾの現オフィスへの移転時か
ら、「元オフィスを貸す」という意味での大家業はやっていて、
老朽化に伴う不具合に対応するたびに、「大家ってサービス業だ
な」と実感しています。利益の源泉は入居者さんの満足にほかな
らず。入居者=顧客とすれば、すべての商売に通じますね。
〇半分趣味、半分仕事で飼育しているメダカたちが繁殖期を迎え
ました。今期は、稚魚育成効率向上作戦として、クロレラ、ゾウ
リムシ、ミジンコの培養に挑戦中。今はなんでもYouTubeに教わ
れるので助かります。これらに親魚、卵、稚魚と、扶養家族が多
くなるこの時期、朝の「メダ活」が大忙しです。
○先月「かすみがうらマラソン」で10マイルを走りました。
ずっと走り続けられるペース=巡航速度を守って快適に完走した
ものの、タイムは4年前の前回とほぼ変わらず。進歩なしはショ
ックですが、年齢的に現状維持できてるだけでも立派!と、自分
を励ましてます。次の目標は秋のつくばマラソンです♪
○最後までお読みいただき、ありがとうございました。これから
もリーゾとすいすい通信をどうぞよろしくお願いいたします。
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すいすい通信は、「株式会社リーゾ」のお客様、および関係者の
皆様にお送りしています。
お知り合いで、「すいすい通信」の配信を承認していただける方
がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介くださいますよう、お願い
いたします。
配信登録はこちらからできます。
http://rizo.sakura.ne.jp/vd/entry/e/bS8PtaC5kPRXp3iy/
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【すいすい通信】
発 行 日:月1回・第1水曜日(予定)
発行開始日:2011年4月7日
ご意見ご感想、および本メールマガジンの解除はこちらまで
info(at)rizo.co.jp
【発行元】
株式会社リーゾ
〒305-0005 茨城県つくば市天久保2-9-5-A03
TEL:029-852-9351 FAX:029-898-9161
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れます。
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