2023年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« すいすい通信 vol.88 2018年7月4日配信 | トップページ | 筑波農場×リーゾ コラボおむすび誕生 »

2018年7月25日 (水)

微量の液体の取り扱い(セミナー内容)

バイオ系の実験では、マイクロリットル(1ミリリットルの千分
の1)単位の液体を正確に計りとったり混ぜたりする必要があり
ます。難しそうに見えますが、「マイクロピペッター」という便
利な道具があるので大丈夫です。

まずは、このマイクロピペッターを使えるようになりましょう。
握ってみてください、と言ってお渡しすると、大概の方は正しく
握ることができます。「good!」と言うときのように親指を立て
て残り4本の指で握ります。親指は、トップにあるボタンに乗せ
ます。
4
親指に力を入れていくと、最初に止まるところがあります。この
感触を覚えてもらって、さらに力を入れていくと、これ以上動か
ないところがあります。大事なのは最初のストップ位置で、ここ
まで押してから戻すことで、数値で設定した量の液体を吸い上げ
ることができます。

よくある失敗は、指に力を入れすぎてしまい、第二のストップ位
置まで押して液体を吸い上げてしまうこと。設定したよりはるか
に多い量が取れてしまうので要注意!です。

押す感覚を覚えたら実際に練習です。先端に使い捨てのチップを
つけ、用意したTEバッファーを10マイクロリットル計り取り、シ
ールの剥離紙(のつるつるした面)に10個並べます。チップは1
回ごとに捨てます(親指を少し手前にずらすとイジェクターボタ
ンを押せます。ピコッとチップが外れて落ちるのはちょっと快感
です)。

これができたら、次は「DYE」(少し粘性がある、色のついた液体)
を5マイクロリットル×10個並べます。最後にもう一度TEで、1マ
イクロリットル×10個に挑戦します。3種類とも、同じ大きさ、同
じ間隔で10個並べば合格!です。

6

次に、比重の違う液体同士を均一に混ぜるための「ピペッティン
グ」を練習します。PCRプレートのウェルの中にTE10マイクロリッ
トルを入れ、DYE5マイクロリットルを加えてピペッティングしま
す。

7

チップの先を液体に入れたまま、吸ったり吐いたりを繰り返すだ
けですが、チップを動かさずにシャカシャカやってもなかなか混
ざりません。ところが、底で吸い「ほんの少し持ち上げて」吐く
ようにすれば、2、3回できれいに混ざります。

反応液の調製では、例えば酵素(比重が重い)が「均一に混ざる」
ことが重要なのですが、色がついていないので混ざっていないこ
とがわかりにくいです。なので、こうすれば確実に混ざる、とい
う方法を覚えておくと安心なんです。

次に、1.5ミリリットル入る「マイクロチューブ」の扱い方を学び
ます。主に、持ち方、キャップの開閉の仕方、スクリュー式の場
合は外したキャップをどう置くか。中に液体が入っている場合は、
必ず遠心機にかけて、キャップの裏や壁面についた液体を底に集
めてから開けること、ふたが開いている時間はできるだけ短くす
ることなどを説明し、実物を触って練習してもらいます。

5

さらに、マイクロチューブの中で液体を混ぜ合わせる方法として、
タッピング(チューブを爪や指先で弾いて混ぜる)とインバージ
ョン(チューブ全体を上下に反転させて混ぜる)も練習します。

8
実験補助者を採用したあとで「えっ?マイクロピペッター使った
ことないの?」と愕然とする研究者さんがたまにいらっしゃるよ
うですが、そりゃ普通の主婦は知りませんよね。あたりまえのよ
うに使っている道具だけに、基礎から教えるのは意外と面倒なも
の。ということでリーゾの講習メニューに入れています。

1回目の洗い物やチップ詰めも楽しいですが、マイクロピペッタ
ーはいかにも「実験!」という雰囲気になり、受講生のみなさん
にも好評な講習です。

実験補助セミナーのご案内はこちらにあります。
http://www.rizo.co.jp/seminer.html

 

 

 

 

 

 

« すいすい通信 vol.88 2018年7月4日配信 | トップページ | 筑波農場×リーゾ コラボおむすび誕生 »

セミナー」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 微量の液体の取り扱い(セミナー内容):

« すいすい通信 vol.88 2018年7月4日配信 | トップページ | 筑波農場×リーゾ コラボおむすび誕生 »