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2014年10月17日 (金)

RNAすいすい-S+LiCl沈殿法

RNAすいすいシリーズは、『LiCl沈殿法』と組み合わせることも可能です。

多糖類の残存が多い場合などに有効な方法です。

通常のプロトコルにある「イソプロパノール沈殿」の代わりに行うだけなので、

ステップ数が増えることもありません。

 

お客様からプロトコル送付のご依頼をいただきましたので、これを機にご紹介します。

(このときの材料は、オオムギの完熟種子です。

『RNAに多糖類が多く残存してしまう』、というお悩み相談を受け、

2011年に検討しました。)

 

【プロトコール】

まずは常法(「RNAすいすい-S」の標準プロトコル)です。

1.チューブに400μlRNAすいすい-S、4μl 2-MEを入れ氷上に置く。

2.オオムギ完熟種子2粒をアルミホイルでくるみ、ペンチでつぶして1に加える。

さらにペッスルでつぶして混合する。

3.200μl酸性フェノール、150μlクロロホルムを加えて混合、氷上15分。

4.15000rpm、10分遠心

5.上清300μlを回収

6.等量の冷イソプロパノールを加えて混合、-20℃、30分

7.15000rpm、10分遠心

8.沈殿を400μl 70%エタノールで洗浄 

9.50μlの水に溶解

次に、『LiCl沈殿法』を組み合わせる場合です。

 

1.~5.まで同じ

6.100μlの10M LiClを加え、-20℃、30分

7.15000rpm、10分遠心

8.沈殿を400μl 70%エタノールで洗浄 

9.50μlの水に溶解

 

・・・あっけないほど簡単です。

 

電気泳動するとこんな感じになりました。

1

左が通常のプロトコル、右がLiCl法を組み合わせたものです。

低分子量領域の太いバンドが消えて、

全体として泳動像がきれいになっています。

沈殿の状態も、白っぽくて大きくて溶解しにくいものから、

小さめで透明感があって溶けやすいものに変わりました。

水溶性の多糖類を、うまく除去できたようです。

 

ご参考になれば幸いです!

 

澱粉の多い植物材料からのRNA抽出がすいすいできる、

「RNAすいすい-S」の製品ご案内ページはこちらです。

http://www.rizo.co.jp/RNA-S.html

 

<蛇足>

泳動写真がなぜオレンジ色なのか?

それは、手製のゲル撮影装置で撮影したからです。

(オレンジ色のアクリル板を通してデジカメで撮影)

必要であれば、画像処理で白黒にすることも、もちろんできます。  

貧乏ラボのゲル撮影装置の作り方は、こちらの記事にて紹介しています。

http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/blog/cat36785625/index.html

 

 

 

 

 

 

 

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