研究用「催芽袋」
研究者さまの声に応えて開発した、高機能不織布製の「交配袋」については、
すでにご存知ですよね。
イネ用(大・小)からスタートして、ソルガム用、ムギ用が増え、
特注品として小さいものではシバ用、大きいものではトウモロコシ用、樹木用など、
いろいろな形とサイズのものを、ご依頼いただいています。
その中で、最近お受けした変り種が、
5センチ四方ほどの小さな部屋が10室つながったシート状の袋です。
ひとつひとつのお部屋はこんな感じ。
研究者さんにお聞きしたところ、これは種子の「催芽(芽出し)」に使うのだとか。
小さな小部屋に系統別に種子を入れて、
半田ごてで(うまく温度調節して)開口部を封じ、
水に漬けて芽出しをするんですって。
芽を出したあと、軽く水を切り、部屋の区切り部分で切り離して播種作業を行
うわけですが、
数多くの系統をコンタミすることなく、少人数で短時間で播種することができた、
と喜んでいただけました。
催芽袋として使うにあたっては、
『60℃の温水浸漬(消毒用)にシール部分が耐えられるかどうか?』
が気になるところでしたが、無事にテストをクリアして採用に至りました。
お値段の方は、当初のご相談が「1枚(1室)あたり10円程度」とのことで、
それを実現するために「10室つながりのシート」をご提案しました。
1室ずつ切り離すと、カット、チェック、計数、帯かけの工程が必要なため、
1枚35円(税別)かかってしまいますが、
10室シートなら87円(同)、1室あたり9円弱でできることになりました。
1枚ごとに、11回の熱接着を行うので、
腕が筋肉痛になってしまうのが難点ではありますが、
ご希望に沿える金額で提供でき、お役に立ててうれしく思っています。
さてご好評いただいている交配袋ですが、
実は年度当初から1000枚単位のご注文が相次ぎ、
現在は製作を半月~1ヶ月、順番待ちしていただいている状態です。
材料裁断の工程を改良したり、
足踏みシーラーを導入するなどいろいろ工夫して効率化を図っています。
こちらが足踏みシーラー。
なかなか使いこなすのが難しい機械で閉口しましたが、
だんだん付き合い方がわかってきました。
(慣れるとすごく楽で速い。何と言っても腕がつらくない♪)
また、小さな「カイゼン」を積み重ねることで、
日々少しずつスピードアップ/品質アップしています。
スタッフ一同、ご研究のお役に立てることを喜びとして、
がんばっていますので、ご理解よろしくお願いいたします!
※ ご紹介した「催芽袋(10室タイプ)」の試供品をお出しします。
ご希望の方はホームページ問合せフォームでご請求ください。
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