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2014年3月14日 (金)

恒温槽として使える意外なもの

久々の貧乏ラボネタです。

 

リーゾには、いわゆる恒温槽が、ありません。

制限酵素処理とか、イネの発芽とかのために、欲しいなあ~と思いつつ、

実験用の恒温槽は小型のものでもお高いうえに、大きくて電気を食う。

リーゾは狭いし、インキュベートしたいものはほんの少し。

温度さえキープできれば、超小型でいいんです。

 

去年までは、イネを発芽させたいときには、

発泡スチロールの箱に、使い捨てカイロを敷いて、

その上にプラカップやビーカーを置いてました。

安上がりですが、カイロを毎日交換しないといけないのが面倒。

制限酵素処理のときは、PCRプレートに移して、PCRマシンで行ってました。

PCRマシンは温度制御が完璧なので、その点は問題ないのですが、

逆にオーバースペックすぎてもったいない(電気代が)。

 

さらに今回、寒天培地上で微生物を培養する実験の必要がでてきまして、

プレートが数枚入る程度の空間があり、温度制御ができるものはないか・・・

と思案しておりました。

 

で、思いついたのがこれ!!

Pict2532

タニカ「ヨーグルティア」。

ヨーグルトメーカーです。アマゾンで約6400円でした。

ヨーグルトメーカーとしては高額な部類になりますが、

実験用恒温装置としては激安です。

 

温度調節は25℃から65℃まで設定可能。

タイマーは1時間から48時間まで可能。

週末ずっと保温するのは無理ですが、

途中で1回くれば大丈夫な範囲です。

 

中はこんな感じ。

Pict2533

通常サイズのプレートが、すっぽり入ります!

高さ的には、6枚くらいは余裕で入りそうです。

(本来は、牛乳と種菌を入れた内容器を入れるのですが、

内容器なしで使います。

底に突起があるので、カラのシャーレを伏せて置き、

その上に培地を置くと安定します)

試しに植菌したプレートを入れて37℃×16時間培養したところ、

見事にコロニーが得られ、大成功でした。

 

・・・まあ、本来、微生物(乳酸菌)を培養するためのものですから、

当たり前と言えば当たり前ですが。

 

気を取り直して。

ヨーグルトメーカーは、種子の発芽にも使えます。

この場合は30℃くらいに設定して、

発芽袋に入れた種子(この場合は、種籾です)を、少量の水を入れたビーカーに浸し、

ビーカーごとヨーグルトメーカーへ。

Pict2539

横から見るとこうです(5種類の種子を同時に発芽させます)。

Pict2540

発芽後の状態はこちら。30℃で3日間保温しました。

Pict2547

発芽しすぎました・・・。

Pict2550

このくらいで、止めないとね。

袋の中を覗いてみました。

Pict2549

 

ちなみに、発芽袋は、リーゾの交配袋(の規格外品)を利用しています。

植えている様子は、こちらの過去記事をご覧ください。

http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-07b9.html

 

このほかにも、実験機器として代用できる生活用品、リーゾにはいろいろあります。

先日のテレビ取材の際には、「まさに主婦力ですね!」などとほめられてしまいました。

貧乏だからしかたなく知恵を絞ったことなんですが、

まあ、ポジティブに考えればそうかも。

勘違いしていただいておきましょう。

 

6年目に入っても、まだまだ小さなバイオベンチャー。

主婦力でがんばる、リーゾのHPはこちらです。

http://rizo.co.jp/

 

 

 

 

 

 

 

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