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2014年1月14日 (火)

「すにっぷすいすい」の作り方(2)

次に、アレル特異的PCRによるSNPタイピング成功のポイントです。

 

アレル特異的PCRはシンプルな方法だけに、

注意すべきポイントがいくつかあります。

特異性がうまく出ない際には、多くの場合、

下記について検討することで解決します。

 

ポイント1)酵素は安いものを選ぶ

特異性が出ないケースでは、某大手メーカーの高機能Taqをお使いの場合が多いです。

高機能の酵素は、アレル特異的PCRには向きません。

安いポリメラーゼを使ってください。

(リーゾでは、AgilentのPaq5000をお勧めしています)

 

ポイント2)DNAのコンタミに細心の注意を払う

通常のPCRでは問題にならないレベルのコンタミで、特異性が消えてしまいます。

 

ポイント3)DNAを入れすぎない

できれば定量して、一定量を入れるのが理想ですが、

多数のサンプルをタイピングする場合にはそうも行かないでしょうから、

できるだけ同じ濃度で取れるように抽出系を工夫して、

少なめに加えるようにするのがコツです。

 

ポイント4)サイクル数を減らす

使用する機器が変わると(同じ機種でも)微妙に条件が変わることがあります。

酵素のロットによっても違ってくるので、症状を見て微調整します。

 

ポイント5)アニーリング温度を上げる

同上です。

 

上級レベルになりますが、うまく設計すれば、

ポジティブコントロール(必ず増えるバンド)を入れたり、

2箇所以上のSNPを同時にタイピングするマルチプレックスPCR系を組むことも可能です。

 

また、SYBR GreenIを混ぜてPCRし、リアルタイムPCR機でpostreadすることで、

電気泳動なしでタイピングすることもできます

(増幅が数値化されるので、エクセル等で半自動でタイピング結果を出せてすごく便利!です)。

 

いかがですか?

「アレル特異的PCR」を身近に感じていただけたでしょうか。

商売としては、「すにっぷすいすい」を頼んじゃうのがお勧めですよ!と言うべきところなのですが、

とりあえず自力でがんばってみるのもありです。

PCRに関るいろいろなことについて深く理解する必要があるので、

学生さんにとっては良い勉強にもなります。

 

問題は、うまく行かないときです。

対策の選択肢が多すぎて泥沼にはまり、

長期戦になった挙句にギブアップ、

というもったいない(人件費、消耗品費、時間、労力・・・)ケースも多いですから、

そういうときにはもちろん、リーゾにお任せくださいね!

Primer3のサイトはこちら
http://primer3.ut.ee/

OlygoAnalyzerのサイトはこちら
https://sg.idtdna.com/analyzer/applications/oligoanalyzer/

「すにっぷすいすい」のご案内はこちら
http://www.rizo.co.jp/SNPs-ici.html

 

 

 

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受託サービス」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
今回の記事。商品の秘伝のレシピを伝えるなんて、ちょっとサービスよすぎでは?

と思っていましたが、よくよく考えてみれば、フランス料理等と同様、レシピと材料があっても同じ味にはならないですよね(つくったことないけど、たぶんそう思う)。

そうやって、トライしてみて初めて良さを知る、有難さを感じる、そしてお客様になる。

やるなぁ。

たかくん様、

コメントありがとうございます。

そうなんです。この方法、ほんとうに楽で低コストな方法なので、
もっとたくさんの研究者さんによさをわかっていただきたいんです。

ご自分でうまく作れれば、うちの商売にはなりませんが、
研究者さんは助かりますし、すいすい使えることで良さが実感できます。

そして、たまに難航したときは
「うまく作れさえすれば研究が進むのになあ、そうだ!リーゾに頼もう!」
となるかもしれないですよね。
   
気の長い話ですが、ちゃんとマーケティングになってますので、
「・・・こんなに手の内さらして大丈夫か?」とのご心配はいりません!
ご明察、恐れ入りました。

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