理科実験メモ⑩6年「水よう液の性質」前編
小学校の理科実験に詳しいリーゾスタッフに聴くシリーズ。
今回は、6年生で学習する「水よう液の性質」の実験についてレポートします。
この単元は、5年生の「もののとけ方」の続編的な位置づけになります。
「もののとけ方」で、水溶液というものは、ものが溶けて透明になった水、と習いました。
身の回りや、理科で扱ったものの中には、どんな水溶液があるかな?と考えてみると、
食塩水
砂糖水
ほう酸の水溶液
お酢
洗剤液(透明なもの)
石灰水
水酸化ナトリウムの水溶液
塩酸
ただの水(・・・?)
などが出てきます。
洗剤のラベルなどをみると、「アルカリ性」「中性」とか書いてあり、
アルカリ性の反対は酸性だけど、それはどうやって調べられるかな?
と誘導して、「リトマス試験紙で調べられるね」に持っていきます。
というわけで、実験に入ります。
いろいろな水溶液を、青色と赤色のリトマス紙につけて、色の変化を調べ、
結果をまとめていくだけの実験なのですが、
液体がたくさんあると混乱してしまうので、こんなワークシートを作ります。
プリントに枠を印刷し、リトマス紙をセロテープで貼り付けて作ります。
本当は生徒に作らせたいところですが・・・
ピンセットでリトマス紙を1枚ずつ取り出すだけでも大仕事になってしまうので、
支援員さんがあらかじめ作っておくことが多いそうです。
調べる水溶液(通常9種類)の方は、ラベルを貼った試験管に用意し、
試験管立てに立てたものを、班ごとに配ります。
ガラス棒を水溶液に浸し、リトマス紙に1滴ずつたらして変化を見ます。
大体こんな感じ。
弱酸性と酸性、アルカリ性と弱アルカリ性の違い、ちゃんとわかるかな?
この実験には大きな落とし穴がありまして、
『炭酸水は時間が経つとアルカリ性を示してしまうことがある』
ので要注意!だそうです。
炭酸水としては、市販の発泡性ミネラルウォーターを使い、
できるだけ小瓶を数多く用意するようにして、新しいうちに使うのですが、
開けたてのものでないとうまく弱酸性の結果にならない・・・。
もしかしたら、ミネラル分(カルシウム、ナトリウムなど)のせいかもしれませんが、
CO2ボンベと純水で炭酸水を作るのも大変だし・・・悩ましいようです。
そのほかにも、いろいろと小さな落とし穴があります。
×理科室には(状態の良い)試験管が足りない
4人ずつ9班に分かれての授業なら、9×9=81本の試験管が必要ですが、
きれいな状態の試験管を揃えるのは難しい・・・。
石灰がこびりついていたりするので、まずは洗う仕事から始まります。
×学校の試験管立てには5本しか入らないことが多い
ということで、水溶液も5種類のみで進める先生もいらっしゃるようです。
じゃあ、ビーカーにすればいいんじゃないか?と思うところですが、
×ビーカーはますます足りない
×かといって、水溶液入りのビーカーを各班に回して使うのはいろいろと危険
なんだそうです。
蛇足ですが、この単元では、薬品の基本的な取り扱い方を学習します。
例えば、危険な薬品を使用するときは、保護めがねをかけるとか。
(今の学校には、保護めがねは人数分備えられているそうです。昔はなかったですよね。)
あとは、においをかぐときには、手で仰いでかぐとか。
(理系の人間はこの癖が抜けず、料理のときにもこれでやってしまいますよね。)
さらに蛇足ですが・・・
「リトマス紙」って、「リトマスゴケ」というコケの抽出液から作られたからリトマス紙っていうそうですよ。
水溶液の性質の学習は、後編へ続きます。
いよいよ、濃~い酸・アルカリで、金属をシュワシュワ溶かす実験が登場します!
リーゾのHPはこちらです。
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コメント
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今回の記事。
読んでいたら、実験、やりたくなってきましたね。
と言っても、台所でやると(バレルと)大目玉の予感。
読む実験の楽しみと欲求不満の双方を味わうことが出来ました。
続編を楽しみにしています。^^/
投稿: たかたか | 2014年1月30日 (木) 23時23分
たかたかさん
コメントありがとうございます。
台所で水溶液の実験、きっとだいじょうぶですよ~。
リケジョ教育の一環、ということで、奥様も納得されるのではないかと・・・。
次回もお楽しみに!
投稿: 管理人 | 2014年1月31日 (金) 13時58分