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2013年6月14日 (金)

理科実験メモ③ 植物の成長と日光や水とのかかわり

小学校での理科実験に詳しいリーゾスタッフに聞く、シリーズ第3弾。

今回は、6年生で学ぶ、「植物の成長と日光や水のかかわり」の実験についてまとめてみました。

植物、日光、といえば・・・光合成!。懐かしい響きですね。

光合成とは何か、については、読者の中にプロの研究者が多いので、うかつなことは書けません。

ごく普通に、「植物が光のエネルギーを使って二酸化炭素から澱粉を作る作用」、

という説明で、お茶を濁させていただきます(誰でも知ってる範囲ですね・・・^^;)。

 

実験自体は、1時間で終了できるものなのですが、先生(支援員)の作業は2日掛かりです

天気予報を見て、晴天が2日続く日を選びます。

うまく理科のある日に当たるとラッキーですが、そうでないときは、先生と相談して調整してもらうそうです。

 

まず、実験前日の昼過ぎに、花壇で育てているジャガイモの葉っぱ3枚に、1枚ずつ、アルミホイルをかぶせます。

3枚の葉っぱのうち、「ア」はそのまま、「イ」は端に四角の切り込み、「ウ」は端に三角の切り込みを入れてから、ホイルをかぶせます。

1

後でどれだかわからなくなると困るので、ホイルにマジックで「ア」「イ」「ウ」と書いておきます。

簡単そうに聞こえますが、やるのは6月~7月の晴天の日。

しかも日当たりのいい花壇にしゃがんでの作業。灼熱です・・・。

1班に3枚なので、9班×2クラスあると、54枚もの葉っぱにアルミホイルをかけることに。

もう汗だく。そのうえ、枚数が多いとちょうどよい大きさの葉が足りないことも。

ここで、「・・・1班あたり2枚ずつでもいいんじゃないか?」と悪魔のささやきが聞こえたりして。

でも3枚であることには、実は非常に重要な意味があるのです(後述)。

 

ともあれ、前日の作業はこれで終了です。

実験当日の朝(1時間目のあたり)に、「ア」の葉っぱをアルミホイルごとつみとり、涼しい場所に保存しておきます。

「イ」の葉っぱは、アルミホイルをはずします。

「ウ」は何もせず、そのまま(アルミホイルをかぶせたまま)にしておきます。

できればその状態で、4~5時間、日に当てることができれば理想です。

 

そして4時間目、理想的には5時間目か6時間目の理科の授業になったら、

「イ」「ウ」の葉っぱを摘み取ってきて、保存しておいた「ア」と一緒にします。

いよいよ実験の開始!

 

1)3枚の葉っぱを、ビーカーに入れたお湯に浸し、火にかけて2~3分軽くゆでます。

⇒ 葉っぱをやわらかくし、ヨウ素溶液がしみこみやすくするためです

2)葉っぱをお湯から取り出して水にさらし、水気をきります。

3)シャーレに入れたヨウ素溶液に葉っぱを浸し、色の変化を観察します。

 

さて、どうなるのが正解だか、わかるでしょうか?

(ちょっと考えてみてください!)

この実験、一見簡単そうですが、いろいろと落とし穴があるそうです。

×火にかけるときに、マッチをすれない子が多い

 ⇒マッチの使い方を練習させたいが、時間がないのでとりあえずつけてあげる

×ゆでるのに、水からだと時間がかかりすぎて間に合わない

 ⇒職員室でお湯をわかしてポットに用意しておき、お湯からゆでるのがポイント

×2)で、水分をちゃんと取らないと、ヨウ素溶液が薄まってしまいうまく染まらない

 ⇒ざら紙(懐かしい響き)を用意しておく

×ヨウ素溶液を配るのが早すぎると、分解して染まらなくなってしまう

 ⇒直前についでまわる必要あり

×ヨウ素溶液は2倍~5倍に薄めるが、薄すぎると短時間で染まらない

 ⇒教科書の写真よりも濃い目にするのがコツ

 

時代の変化を感じたのは、最近はアルコールランプと三脚を使わず、

「理科実験用ガスコンロ」というものを使うんだそうです。

教科書もそれで載ってます。

マッチをすらなくていいので便利ですが、ちょっとお高い(1万円くらい)。

そのため、たいていの学校には、班の数には足りません。

なので、アルコールランプと併用になるんだそうです。

が、従来は4年生の「もののあたたまり方」、5年生の「もののとけ方」で使い方を習うはずだったのが、

今はそこで習うことが少ないため、マッチのすり方、アルコールランプの使い方があやふやなまま6年生に。

う~ん、ガスコンロでいいのかなあ、と古い人間は頭をひねってしまいますが・・・

今の生活では、マッチ自体が姿を消しつつあるので、しかたがないですね。

 

ところで、この実験の結果は、

 「ア」・・・染まらない(緑色のまま)

 「イ」・・・染まる(青むらさき色)

 「ウ」・・・染まらない(緑色のまま)

となるのが正解です。

2( ・・・ドへたなイラストですみません。)

なぜならば、

「イ」は日光に当たって、光合成により、澱粉ができているから。

「ウ」は日光がさえぎられて光合成ができず澱粉ができなかったから。

というのは、わかりやすいですよね。では「ア」は何のためにやっているのでしょうか?

 

実は、「ア」は、いわゆる陰性対照、ネガティブコントロールなんですね。

「イ」が染まるのは、「前の日に出来た澱粉が残っている(日光を遮ることで消える)」と考えることもできますが、

「ア」の葉っぱが染まらないことで、朝の時点で、澱粉はなかったことになり、

その仮説は否定できるわけです。

(対照を置いて実験する「条件制御」の考え方は、小学校高学年から学習するそうです)

というわけで、実はこの実験の重要なポイントは、「ア」の葉っぱの意味をわかってもらうこと。

暑くても、足りなくても、2枚じゃダメってことですよ~。

 

この実験の成功の決め手は、とにもかくにも、

スケジュール調整(2日連続の晴れの日確保)と、丁寧な下準備。

きれいに結果が出たときは、生徒以上にうれしくなっちゃうようですよ!

蛇足ですが、この実験で使うのは、「ジャガイモ」か「インゲン」の葉がほとんど。

同時期に成長する「ヒマワリ」「ホウセンカ」でもよさそうなのに不思議じゃないですか?

(光合成はもちろんしますし)。

 

実は、「ジャガイモ」と「インゲン」は、同じ茎に3枚(以上の)葉がつくんです。

班で3枚使うので、ぴったりなんですね(個人的にこの事実はツボでした!)。

 

光合成って、よく考えるとほんとに不思議で、すごくよくできてるしくみです。

人工光合成がいまだに実現しないくらいですから・・・。

受験問題でも定番のテーマですから、この実験をしっかり成功させて、

イメージとセットで、がっちり理解&記憶させてあげたいですね。

 

 

リーゾのHPはこちらです。

http://rizo.co.jp/

 

 

 

 

 

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コメント

なぜ、葉に切り込みを入れるのですか?

葉に切り込みを入れるのは、識別のためです。
染色の時は、ア、イ、ウを一緒にしてしまうので、どれがどれだったかわかるようにしておきます。

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