肉と加工品からのDNA抽出(続き)
肉と加工品からのDNA抽出の続きです。
前回、豚の脂身、豚の赤身、ウインナ、とりそぼろ、ハムからDNAを抽出しました。
まずは、分光光度計で濃度を測定してみます。
●豚の脂身(100mgからスタート→50μlに溶解)
・核酸濃度:283ng/μl
・260/280比:2.00
●豚の赤身(50mgからスタート→50μlに溶解)
・核酸濃度:438ng/μl
・260/280比:1.96
●ウインナ(100mgからスタート→50μlに溶解)
・核酸濃度:220ng/μl
・260/280比:2.00
●とりそぼろ(100mgからスタート→50μlに溶解)
・核酸濃度:555ng/μl
・260/280比:1.90
●ハム(100mgからスタート→50μlに溶解)
・核酸濃度:225ng/μl
・260/280比:1.95
波形も見てみました。
いずれも260nmにピークがあるきれいな波形でした。
(プリンタがついてないのでデジカメで撮ってます。画面が割れてて見苦しいですがご容赦。)
次に電気泳動です。10μl分を泳動してみました。
どれもかなり大きなサイズのものが取れていてびっくり。
赤身はRNAのバンドも薄く見えています。
次に、取れたDNAがPCRに使えるかどうかをテストします。
今回は、おなじみの、「植物なら何でも増えるプライマー」を使うわけにはいかないので、
畜種を問わず何でも増えるプライマーを、
種を超えて保存性が高い遺伝子の代表格、βアクチン遺伝子上で設計しました。
(牛、豚、羊、鳥、鹿、馬、兎まではチェック済み)
取れたDNA1μlを鋳型としてPCR→電気泳動。
全部増えました!
これで、PCRがかかるレベルのクオリティのDNAであることが確認できました。
ウインナ、とりそぼろ、ハムは加工品であるにもかかわらず、
意外とDNAが分解していないことに驚きました。
肉の種類を判別するプライマーがあれば、
加工品の原材料に何の肉が使われているか?の鑑定も可能ですね!
肉や加工品からもDNAがすいすい取れる、
「DNAすいすい-F」のご案内はこちらです。
http://www.rizo.co.jp/DNA-F.html
リーゾのHPはこちらです。
« 肉と加工品からのDNA抽出 | トップページ | 3月の実験補助セミナー »
「DNAがとれるかな?(Dとれ)プロジェクト」カテゴリの記事
- 肉種(豚・牛・羊・鶏)判別キットを作ってみた(2012.08.24)
- 肉と加工品からのDNA抽出(続き)(2012.03.14)
- 肉と加工品からのDNA抽出(2012.03.12)
- 脂質の多い種子からのDNA抽出(続き)(2012.02.27)
- 脂質の多い種子からのDNA抽出(2012.02.23)
コメント