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2012年1月30日 (月)

在庫管理にカンバン方式

ラボで役立つ(かもしれない)裏ワザのご紹介シリーズです。

 

ラボではいろいろな試薬や消耗品を、複数の研究者や学生が使います。

「なくなりそうだ」と気付いても、「誰かが注文するだろう」と思いがち・・・。

「使い切ったヤツは誰だ!」と文句を言いつつ注文する人も、決まった人になりがちです。

かと思えば、たまたま気の利く人が複数いて、同じものを二重発注してしまうことも。

 

リーゾの場合には、人数こそ少ないものの、試薬や消耗品のほか、ラベルシール、各種梱包材、

取説の印刷に必要なインクや紙類、その他の事務用品など、雑多なものをいろいろ使っています。

どれかひとつでも切らしてしまうと、せっかくのご注文をお待たせしてしまうことになりかねません。

でも、あまりに種類が多いものの在庫を、常に気にしているわけにもいかず、

かといって大量に買い置きすれば発注先や発注方法自体を忘れそう。

保管スペースもないですし、在庫はできるだけ最少量にしたい。

どうしたものか・・・?と悩んでいました。

 

そこで最近はこんな方式を取り入れました。

Pict1001

・・・カンバンです(もろに手作り)。

 

まずは、管理したい品物ごとに、発注のタイミング(発注時の在庫量)と一回の発注量(数)を決めます。

発注時の在庫量は、「納期」かける「減るスピード」でざっと計算します。

(あまり使わず、かつすぐ届くものなら、ぎりぎりまで減らしたところで発注しても大丈夫ですが、

たくさん使い、納期がかかるものは余裕を持って注文しないと危険です。)

カンバンには、モノの名称と保管場所、上記の情報のほか、

発注先や型番、価格などを書いておくと便利です。

紙ははがき程度の厚みのもので、穴をあけて輪ゴムを通します。

 

このカンバンを、「これを開けたら発注」という在庫にくくりつけておきます。

Pict0997

試薬の場合はこんな感じ。

小規模なラボなので、「未開封のものを1本常備し、1本ずつ注文」が原則です。

Pict0998

これはすいすいシリーズを梱包するのに使う、ジップ袋のひとつです(大事)。

ジップ袋だけで6種類もあります。

 

Pict0999

コピー用紙にも。

使用頻度が高いので、念のため「最後から2つ目」で発注です。

輪ゴムだとこんなものにもらくらくとりつけられます。

 

で、カンバンのついている在庫を開封したら、

カンバンをはずして、「発注待ち」のフックにかけます。

発注が終わったら、「納品待ち」のフックに移動します。

Pict1000

・・・たとえばこんな感じですね(左が発注待ち、右が納品待ち)。

   

品物が届いたら、カンバンを新たな在庫に付け直し、保管場所にしまって完了です。

  

・・・という感じで、やっております。

  

導入してまだ日が浅いのですが、

「ない!」と慌てること(・・・正確には、「ない!」と慌てるのではないかとびくびくすること)がなくなりました。

きわめてアナログながら、「在庫管理がシステム化されている」という安心感があります。

導入コストはもちろんゼロ円(あるもので作れる)。

コスパばつぐんの在庫管理システムです。

    

『カンバン方式』は、もちろん「トヨタ自動車」が本家です。

図書館や書店の「製造業」のコーナーに行くと、解説本がたくさん並んでいます。

カンバン方式は、別名「ジャストインタイム生産方式」とも呼ばれ、

かなり奥が深い理論で、とても面白いです。

ドキュメンタリー小説風にまとめられた、読みやすいものもあります。

興味ある方はぜひ勉強してみてください。

  

リーゾのHPはこちらです。

http://rizo.co.jp/

 

 

  

  

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コメント

さすがです。
このクールなアイディア。
絶対零度じゃなかった摂氏零度の職場で生み出したんですね。
春になったら、ウォームなアイディアの紹介も待ってます。

これいいね。こーゆーの大好き。
わが社は某事務用品卸なのですが、社内消耗品の管理ができておらず呆れてしまいます。ちょっと人数多いと人ってホント人任せになって何もしないんだよね。

>たかくんさん
はい。この冬は出勤時の室温が零度の日があり、暖房が効くのに半日かかる感じ・・・。
夏の暑さを取っておけるといいのに!

>くろしおさん
事務用品卸さんでもそうなんですか~。やっぱり社内消耗品の管理は難しいんですね。

この方法は家庭の消耗品にも使えそうなので、我が家でも取り入れようかと計画中です。

消耗品の在庫管理のことで調べていて、このブログに来ました。
その後、この仕組みは働いてるのかな?どんな工夫と変更などがあったのかな。と思って。もしあったら、教えてください。

>村田さん、
コメントありがとうございます!

この方式は、その後もずっと、現在も使っています。
特に問題はないですが、強いて言えば、輪ゴムだと時間が経つと劣化して切れちゃうことでしょうか。
また、「残り何個で何個発注」の基準は、状況の変化を見ながら随時変えています。

同じ方式を、製品や半製品の在庫管理にも使っています。
そちらは「製造指示かんばん」と呼んでます。
こちらの方も、とても安心感があって便利です。

かんばん方式を在庫管理に利用することは理にかなっています。少々理論的に付け加えれば、初期在庫(注残+実在庫+消費済み)は補充時間(発注から納入までの時間)の間に消費される最大数量(欠品率を考慮して決めます)。1回の発注量を決めたら、発注タイミングは、(1回の消費量=初期在庫量-発注時の実在庫―注残)の時、または、(1回の発注量が消費された時)となります。納入リードタイム<発注間隔 の場合、注残はゼロ。これは定量不定期発注ですが、例えば毎週金曜日に発注することにして、直近の1週間で消費した分を発注するとすれば、定期不定量発注となります。発注量はバラツキますので、最小発注単位でまとめるなどの工夫は必要かもしれません。かんばん方式の原理も含めて、一般の在庫理論としてまとめた「STIC発注方式」と呼ばれる在庫管理法があります。ほとんどすべての在庫管理に適用でき、サプライチェーンの構築がしやすくなると思います。これまでの在庫管理の在り方を根本的に変えるかもしれません。

専門的なコメントありがとうございます!
(この記事を見つけて読んでくださったこと自体、すごくびっくりでうれしいです)

STIC発注方式というのは初めて知りました。
「サプライチェーン」なんていうほどの生産規模ではないのですが、将来役に立つ日が来るかもしれません。勉強してみます。ありがとうございました。

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