アガロースゲルの再利用
泳動が終わった後のアガロースゲル、どうしてますか?
・・・お勧めするわけではありませんが、下記の方法で「再利用」できますので、ご紹介します。
まず、電気泳動と撮影が終わったゲルは、濃度別にビーカーにためておきます。
ある程度たまったところで、電子レンジにかけて溶かします。
ここまでは、普通ですよね。
ためておいたゲルを再度溶かすと、細かいホコリや、
もやもやと浮遊する溶けない物体が現れます。
これらをそのまま固めてしまうと、泳動を乱したり、
紫外線で光って写真が汚くなったりします。
このため、ある程度汚くなったら、「ろ過」する必要があります。
ろ過装置として使うのは、ナルゲンのフィルターウエア(の、上の部分)。
普通は、ろ過が終わったら捨ててしまう部分です。
もともとついていたナイロンメンブレンは取っちゃいます(写真は取ったあと)。
そしてここに、100円ショップなどで売っている、「油こし紙」を敷きます。
これを新しいビーカーにセットし、溶かしたゲルをろ過してから、ゲルトレイに流し込みます。
ろ過後は、固まらないうちに油こし紙を捨てて洗浄しましょう(固まるとつまってしまいます)。
ろ材として、ティッシュペーパーや紙タオル、布切れなどいろいろ試しましたが、
「油こし紙」がちょうどよい大きさで、適度な弾力で濡れても内側に倒れず(ティッシ
ュはここがダメ)、
ゲル液の吸収も少なく(ペーパータオルはここがダメ)、
なによりもともとがろ過のための紙ですから、ろ過能力がばっちり。
もやもやもホコリも取れて、きれいなゲルに再生します。
これで、試薬屋さんにはたいへん申し訳ないことに、
「半永久的」にアガロースゲルが使えてしまいます・・・。
なお、染色に「エチブロ」をお使いの場合、
ゲルトレイや泳動槽などの汚染が気になる方には、再利用はもちろんお勧めできません。
(そのあたりは、研究者の間でも、いろいろな考え方があるようです)
ちなみにリーゾでは、人体に安全と言われている「GelRed」を採用しております。
「mottainai」は世界の合言葉!
(・・・けっして「ケチ」でやってるわけではありません)
リーゾのHPはこちらです。
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素晴らしい記事。
投稿: | 2019年7月 4日 (木) 15時25分