Dとれプロ⑮土壌と汚泥 その2
Dとれプロ⑮土壌と汚泥 その1 の続きです。
試作した「土壌・汚泥用」のDNA抽出バッファーで、DNAを抽出してみました。
土壌は、火山灰の多い人工水田の土(「水田土壌」)と、腐葉土の多い家庭菜園の土(「畑土壌」)、
活性汚泥は、「たれ・からし製造施設廃液処理用(A)」と、「給食製造施設廃液処理用(B)」、
の計4種類です(写真は、畑土壌と活性汚泥Bのものです)。
土の量はこのくらいです。
活性汚泥はこのくらいです。
プロトコルは、
1.バッファー900μlに、土壌100μl相当分を加え、
(または、バッファー500μlに、活性汚泥500μlを加え、)
ピペットチップの先でたたくようにしてよく混合する。
バッファーにサンプルを加えたところ。
よく叩き混ぜたところ。
2.遠心して上清700μlを別のチューブに移し、フェノクロ300μlを混合する
遠心しました。
移転した上清にフェノクロを加えたところ。
このあと上下に振って、よく混合します。
ここから先は、ほとんど見えないので写真省略です。
3.遠心して上清500μlを別のチューブに移し、イソプロパノール500μlを混合する
4.フリーザーで20分冷やしてから遠心
5.沈殿を70%エタノールでリンス
6.30μlの滅菌水に溶解
以上です。
研究者ならわかる、ステップ数の少なさ・・・。
所要時間は遠心、冷却も入れて1時間程度(実働時間20分程度)です。
土壌の場合、サンプルとフェノクロを同時に混ぜるのはどうかなと思い、
上清移転を1ステップ加えてみました。
活性汚泥なら同時処理でOKかもしれません。
こんなに簡単で、本当に取れているのでしょうか??
得られたDNAを10μl分、泳動してみました。
どれも取れてました!(一番上のバンドがゲノムDNA)
次に、DNAをそれぞれ250倍に希釈し、
バクテリア16SrRNA遺伝子用のプライマー(約720bpが増幅)を用いて
PCRをかけてみました。
増えました!
この実験で、DNAが取れて、PCRがかかることが確認できました。
オールマイティーな抽出試薬を目指したつもりですが、
実際に全国の様々な土壌を入手するのは難しいため、
ここから先は、お客様にご自分の材料でご確認いただければと思っています。
土壌・環境関係の研究者の方、お試しになってみませんか?
まで、ご連絡ください。試供品を、お送りします。
【謝辞】
活性汚泥は、中山環境エンジ株式会社様より、お分けいただきました。
中山環境エンジ様、貴重なサンプルを、ありがとうございました!
「美しい未来を残す」水質浄化のプロフェッショナル、
中山環境エンジ株式会社様のHPはこちらです。
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