Dとれプロ⑬イチゴの葉(フェノクロなし)
DNAすいすいシリーズでこんなものからDNAがとれるかな?プロジェクト、
略して「Dとれ」プロ、第13弾です。
「フェノクロなしに挑戦」第3回、今回はバラ科代表の「イチゴ」の葉でやってみます。
(あるお客様からのご要望で、試してみることになりました)
サンプルはこちら。
バッファーはもちろん、バラ科用「DNAすいすい-R」を使います。
まずはDNAすいすい-Rと添加剤(溶解液に溶解済みのもの)を9:1で混合します。
イチゴの葉、約100㎎をチューブに入れ、混合液400μlを加えてつぶします。
つぶすには、やっぱりディスポのペッスルが便利です。
ちょっと失敗して先がつぶれてますが・・・特に問題ありません。
つぶした後はこんな感じです。
さらに混合液400μlを足してよく混ぜます。
通常はここでフェノクロを加えますが、加えずにそのまま遠心します。
普通に沈殿しました。
上清600μlを別のチューブに移します。
ここから先は、プロトコール通りに、粘性物質除去処理、イソプロ沈を行います。
(沈殿の写真も撮りましたが、何も見えないので省略します)
この場合、PCRに使えるレベルの品質でDNAが取れたかどうかがポイントです。
DNAに共雑物が多い場合、希釈しないとPCRがかかりません。
そこで、得られたDNAそのまま、15倍希釈、225倍希釈をそれぞれ1μl、鋳型として用い、
いつものプライマー(植物用18SrRNA遺伝子用)で、PCRを行ってみました。
すべて増えました!
(ちなみに、この反応は、PCR用添加剤「5×PCRすいすい」を用いて行い、
泳動後すぐに、「ゲル染色なし」で撮影しました。
マーカーは、「染色なしで見える」専用マーカーです。
あまりに便利なので、自分たちだけで使うのはもったいないと思い、
商品化もしてみたのですが・・・。
この便利さがなかなかお客様に伝わらないのがもどかしいです。
本当に便利なので、ぜひ一度、試してみてください!!)
というわけで、「DNAすいすい-R」を用いることにより、
イチゴの葉からも「フェノクロなし」でDNAが抽出できることが確認できました。
イチゴの葉は、バラ科の中でもかなり粘性物質とポリフェノールが多く、
ハードルが高い材料です。
これがOKということは、バラ科植物の葉はほとんど同様に抽出可能、と考えられます。
また、イチゴの葉だけでなく、「ヘタ」も大丈夫なはずです。
輸入イチゴの品種確認検査にも、ご利用いただけると思いますよ~!
今回用いました「DNAすいすい-R」のご案内はこちらです。
http://www.rizo.co.jp/DNA-R.html
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