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2010年6月 8日 (火)

Dとれプロ⑨金魚からのDNA抽出

DNAすいすいシリーズでこんなものからDNAが取れるかな?プロジェクト、

略して「Dとれ」プロ第9弾、「金魚」です。

 

ずっと前からさんちゃんに協力してもらうつもりでしたが、

このたび本人の快諾が得られましたので(*)、ついに挑戦します。

(*:推定です。)

Photo

まずは体表粘液。綿棒でそっとこすります。

魚体を痛めずにすむので、これでDNAが取れれば一番です。

Photo_3

 

体表粘液だけでは不安なので、ハラビレもちょっとだけもらいました。

Photo_2

ほんとうにほんのちょっと、湿重で1㎎程度です。

ちなみにハラビレをカットしても血はでませんし、

もちろん再生しますのでご安心を・・・。

 

さんちゃんには水槽にお帰りいただいて、DNA抽出に進みます。

バッファーは、「これでいけるのでは?」という組成で2種類、調製してみました。

それぞれ、「綿棒(粘液)」「ヒレ」の入ったチューブに400μl注ぎ、

60℃で15分保温します。

Photo_4

保温後のヒレはこんな感じです。

綿棒の方は、見た目は変わりません。

 

タンパク質の除去のため、フェノール・クロロホルムを150μl加えて混合し、

遠心します(綿棒は入ったままで行いました)。

 

上清200μlをイソプロ沈してリンス。

沈殿を50μlの滅菌水に溶解しました。

ここでPCRですが、金魚なので、金魚(淡水魚全般)の18SリボゾーマルRNA遺伝子上に

設計・合成した特製プライマーを使いました。

 

その結果・・・

 

Pcr

増えました!

 

特に体表粘液の方は、100倍希釈して1μlでも十分なので、

PCR5000回分以上取れていることになります。

体表なので、バクテリアなどのDNAも共存しているはずですが、

とりあえず淡水魚のDNAが大部分を占めていると推定できます。

  

抽出されたDNA量を吸光値より計算したところ、

・体表粘液は8~10μg

・ヒレは3~8μg

のDNAが得られていることがわかりました。

ゲノムの電気泳動でも、かなり分子量の大きいDNAが取れていることが確認できました。

 

魚類の体表粘液・組織からの簡便なDNA抽出バッファーとして、

商品化準備中です。

⇒商品化しました!

「DNAすいすい-F」のご案内はこちらです。

http://members3.jcom.home.ne.jp/rizo.inc/DNA-suisui-F.html 

 

体表粘膜に寄生・感染した病原菌の同定などにも使えそうですので、

そちらの方も別途、検討する予定です。

 

【蛇足】

「オフィスで孵化した稚魚の親は誰?」その後の情報ですが、

1.しっぽがミューズより大きくひらひらしている

2.しっぽが黒い(ものがいる)

というわけで、おそらく母親はさんちゃんと思われます。

9匹に減りましたが、すでに「金魚」といえる体型に成長しました。

今後が楽しみです!

  

リーゾのHPはこちらです。

http://members3.jcom.home.ne.jp/rizo.inc/

  

  

 

 

 

 

 

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コメント

お久しぶりです、管理人様

すごいですね、金魚の病気診断できるように成ったら、
株買い占めます、株式上場する前に、教えてください。
よろしくお願いします。
(^_-)-☆

金魚屋さん、久々のコメントありがとうございます。
 
もし、金魚屋さんのところで病気の金魚が出たら、ご一報ください。
(検査方法の陽性対照が手に入らなくて困っていますので)
ご協力よろしくおねがいします!


 

今晩は、管理人様

どんな病気、の金魚必要でしょう?
今年は、気温の変動が大きく、病気出ました。
細菌性、ウイルス性、寄生虫、色々御座います。
原因が断定できる、金魚が必要ですか?
お知らせください。

金魚屋さん、ありがとうございます。
(つづきはメールでお送りしましたのでそちらを見てください!)

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