Dとれプロ③パパイヤとバナナ
「DNAすいすいシリーズで、こんなものからDNAがとれるかな?」プロジェクト、
略して「Dとれ」プロ、第3弾「パパイアとバナナ」編です。
パパイヤです。
バナナです。
バナナは食べる部分(果肉)と、皮とがあるので、別々に約50mgをサンプリング。
パパイアも食べる部分(果肉)と、果肉もくっついてきてしまいますが皮の部分に分け、
同じく約50mgをサンプリングしました。
試薬の方は、
「澱粉や糖の多い植物組織向け」の「DNAすいすい-S」と、
「ポリフェノールの多い植物組織向け」の「DNAすいすい-P」を
両方試してみます。
プロトコールはいつもと同様に、
400μl(Pは360μl+添加剤40μl)のバッファー中でつぶし、
100μlのフェノクロを加えて混合後、遠心。
200μlの上清をとり、等量のイソプロと混合して再度遠心。
沈殿を70%エタノールでリンスして完了です。
20μlの水に溶解し、3μlを泳動してみました。
すると・・・
なんと、パパイヤの果肉と皮からは、RNAがたっぷり取れていました。
RNaseノーマークの抽出・泳動だったので意表を突かれました・・・。
パパイヤにはRNase阻害物質が含まれているのかもしれないですね。
それはそれで面白いですが、気を取り直して先に進みます。
バナナは、この泳動では、Sの方でうっすらゲノムらしきものが見えています。
次に、おなじみとなりました、植物なら何でも増える18S用プライマー(リーゾオリジナル)で
PCRをかけてみました。
とりあえず10倍希釈1μlを鋳型として、40サイクルの反応です。
泳動してみますと、このようになりました。
<結果>
・パパイヤの果肉はS、PともOK
・パパイヤの皮はPのみOK
・バナナの果肉、皮はSのみOK
希釈倍率を上げて再度PCRをしてみたところ、
パパイヤの皮(S)、バナナの皮(P)も増幅しました。
(データは省略させていただきます!)
結論として、
・パパイヤは皮、果肉とも、SでもPでもOK
・バナナは、皮ならPでもいけますが、Sがお勧め
ということになりました。
なお、バナナ果肉は「RNAすいすい-S」でRNAが取れることを確認済みです。
パパイヤは「RNAすいすい」を試していませんが、
今回の結果を見る限り「RNAすいすい-S」で問題なく抽出できそうです。
パパイヤなんて滅多に買わないので、よい機会と思い使ってみましたが、
生の果物はDNA抽出できて当然といえば当然ですね・・・。
次回は、もう少し難しい材料にトライしてみます。
今回使いました、「DNAすいすい-S」「DNAすいすい-P」のご案内はこちらです。
http://rizo.co.jp/DNA-S.html
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